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コラム

プロゴルファー 石川 遼

最近は、ほとんどゴルフをしませんが、高校時代はかなりゴルフに明け暮れていました。
今思い返せば、ゴルフというスポーツは非常にメンタルな部分が多く、技術以外の面がスコアに大きく影響してくるスポーツです。
友人・家族等のゴルフならともかく、公式なコンペや試合となると、朝、初めて会った人と1日過ごし、食事やお風呂まで一緒に過ごすことになります。実力や性格の一切わからない数人と互いの腹の探り合い?、さらに競技全体での自分のポジションを考えながら、それぞれ互いに気を使い合い、さらに他の人のスコアまで確認しマーキングしながら過ごさなければなりません。これに自分のスコアやさまざまなコースマネジメントがからんできます。良いスコアでも悪いスコアでも平静を装いクールに、しかも迷惑をかけずにプレーをしなければなりません。自分たちの組の前後でプレーしている組の人にも気を使わなければいけません。ゴルフが面白くなるのも、つまらなくなるのも、好きになるのも、嫌いになるのも、一緒にプレーする人次第かもしれません。
ゴルフ競技は、技術2割・精神面8割と断言できます(笑)。
ましてやこれが賞金のかかったプロとなれば、よっぽど肝っ玉の据わっている人以外は、想像を絶するストレスとなるでしょう。高校時代は、プロゴルフトーナメントもよく見に行きました。雲の上の近寄りがたい「恐い顔」をしたトーナメントプロ達がプレーをしています。

今話題の石川遼選手は、繊細な17歳という年齢で、このひと回りもふた回りも歳の違うプロたちと勝負をしています。当然、厳しい生活のかかっている勝負の世界ですから、大きな圧力やある意味威圧等もあるでしょう。劇的な優勝でプロになり、しかもプロの中でもごくごく一部の限られたプロにしか得られない(200倍!とも)トーナメント出場権まで得られてしまいました。多くのプロのなかでの石川遼選手のプレーを見ていると胸が痛くなります。今シーズン前半の試合では、ほとんど実力を発揮することなく終わっていました。このまま、この若い芽は潰されてしまうんではないか、という危機感までありました。

先日の「日本オープン」、4日間の試合の初日、2日目の予選2日間石川遼選手は、青木功選手と同じ組でプレーしました。
この時、「もしかしたら、何かが変わるかも?!・・・」と思いました。

現在66歳、日本ゴルフ界の帝王・青木功選手は、中学生の頃から、A(青木)・O(尾崎)・M(村上)やN(中島)時代からのファンで、人間性やプレーも含めありとあらゆる点で素晴らしい選手だと思っています。子供が好きで、サインをお願いしても嫌な顔もなく、しかも必ずいろいろ話しかけてくれます(笑)。
(先日、ゴルフ界2人目の紫綬褒章も授賞されました。)

たまたま先月の日本オープンの予選の映像をテレビで見ました。プレー中の青木功選手と石川遼選手とのやりとりも・・・。
初日スタートのティーショットが終わった直後、青木功選手が言いました。
「さぁ、行くぞ、遼君!!・・・」。
すべてわかっている青木功選手です。・・・「やっぱり!」・・・遼君が変わったかもしれません。
そして先週末の逆転優勝! ガンバレ!遼君!

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30年近く前の青木功選手のサイン。(左)
右上は、デビュー間もない新人無名時代のグレッグ・ノーマンのサイン!