menu

コラム

節分のお面

節分と聞いて、豆まき以外に想像するものは、赤い鬼のお面です。数年前までは、子供たちの為に節分の日に赤い鬼のお面をつけることがありました。私の幼少時、角が1本の鬼は良い鬼で、2本の鬼は悪い鬼と聞きましたが、本当のところはどうなのでしょうか?もっとも想像上の生き物に本当も嘘もありませんが・・・。赤鬼と青鬼はどう違うのでしょうか・・・。
節分と聞くと、鬼のお面ですが、お面と聞くと、私は能面(女面)を想像します。喜怒哀楽すべての表情を表していると言われている能面ですが、人間のその時の感情や精神状態で、あらゆる表情に見えるお面です。これは、感情を精神面でコントロールし、表に出さずに行動するというある意味日本人そのものの奥深さの歴史を感じさせてくれる特徴的な物ではないでしょうか。感情をコントロールした状態とは、第三者から見ると、優柔不断で、はっきりしないと思われがちですが、このどちらとも言えない(どちらとも言える)状態の中で、相手を思いやる心が(風見鶏と言う人もいますが)我々日本人の本質・美徳と言えるのではないでしょうか。グレーゾーン、玉虫色などと比喩されることも多いですが、この曖昧さの中に、ものの見方の幅、柔軟性を持ちさまざまな意見を取り込む寛容さをもった心で、一歩引いた心くばりや思いやり、優しさを大切に持ち続けていきたいと思っています。(歯ブラシに関して:欧米では、硬めと柔らかめではっきり二分されますが、日本では、その中間の硬さ(普通)という商品が一番人気だそうです。・・・これも曖昧さの表れなのでしょうか・・・。) 文・写真 酒井 公洋
DSC_1200-2.jpg