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コラム

残念!日本向け「アロナール」製造終了。

スイスの歯磨き粉「アロナール」が、製造終了に。
正確には、日本向けのアロナールの製造が終了し、結果的に日本では薬事法の壁があり購入することができなくなります。
20年以上も前から医院でも販売し、自宅や友人たちも使用しており、とても思い出のある歯磨き粉でした。
スイスではこのアロナールは、数年前からフッ化物配合の歯磨き粉となり製造を現在も続けており、欧米では今まで通り購入することができますが、日本では、前述した薬事法の壁がありこのフッ化物入りの商品の輸入が認められていません。
この薬事法の壁は、現在も多くの問題を抱えており根拠に基づかない規制も多くあります。
現在、欧米で販売されているアロナールのフッ化物配合の件も、日本ではいまだに、フッ化物=フッ素=危険というような風評が一部に存在し、医学的根拠に基づいた安全性、有効性が必要十分に証明されていてもまだまだ普及が難しいという現状があります。
埼玉県歯科医師会では、今年度よりむし歯の多い県内の市町村の学校の歯科医師会、教員委員会と協力し、その地区の小学校におけるフッ化物洗口(うがい)の実施を始めています。主に埼玉県歯科医師会の地域保健部という部門と、私の所属している学校歯科部との共同作業です。
http://www.saitamada.or.jp/fluorine/
佐賀県では、今年度末には県内小学校全学校で実施率100%になるようですが、埼玉県では時間がまだまだかかりそうな状況です。
こういった活動は、現状の歯科医療を大きく「治療」、「予防」と大別した場合の「予防」に該当する部分であり、生涯におけるカリエスフリー(むし歯ゼロ)を目的として実施されているものであり、これは現行の医療の「治療」という面からすればまったく対極をなすものでありますが、医療の本質としての「予防」に重きを置くことは非常に大切なことであります。現在の我々歯科医師の仕事が「治療」行為を主とするものであるならば、ある意味将来の自分たちの首を絞める行為となっているのかもしれません・・・。現状、日本の法に基づいた保険診療の仕組みでは、疾病保険(病名のついた歯を治療するだけの保険)のみが保険診療として認められています。休日を返上し、自医院を休診して、ほぼボランティアでこのような活動に参加してくださっている一部の歯科医師会の先生方には感謝いたします。今後、少しでもこのような予防活動に対する評価を国が評価してくれたら・・・と、思っています。

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あと少し・・・。