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コラム

機械式時計。

クラシックカメラもそうですが、精密な機械、部品で動くクオリィティーの高い装置にはとても興味があります。機械式時計もその一つです。

歯車とゼンマイ、針とケースの組み合わせによって、今から250年近くもも前に、機械式の懐中時計ができました。
日本では、江戸時代中期の頃の話です。
ブレゲというスイス人が、マリーアントワネットのために制作したものです。
複雑万年時計といいます。
もうすでに、この時代の懐中時計に、自動巻き・同調時計・ルビーシリンダー脱進機・注油無し・永久カレンダー・パラシュート(緩衝機構)・そして革命的な装置・・・トゥールビヨン(地球の重力に影響されない装置)、ミニッツリピーター(時間と分を異なる極小の鐘で鳴らす!・・・夜でも時がわかる)等々、信じられない技術が導入されていたのです。
何百という部品一つ一つが美術工芸品であり、時計の仕上げも美しいものとなっていました。
フランス革命によって、マリーアントワネットの手に渡ることはありませんでしたが、この驚異的技術は、この後の懐中時計・腕時計の芸術品としての方向性を位置づけるものでした。
アナログ時計の、歯車とゼンマイ、針によってもたされる美しい構成、そして革新的技術は、今でもガイア賞(時計界のノーベル賞:美しさ、ゼンマイ・針の音、技術を競ってジュネーブにて年1回行われるもの)によって引き継がれています。
今でも毎年この歯車とゼンマイ、針とケースのみでできている腕時計は、スイスの各有名ブランドから数千万円!の値をつけて世界に販売されています。

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カチカチ、カチカチ・・・時を刻む、大好きな音です。