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コラム

10月に思ふこと・・・

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自分の誕生月が好きだという人は多くいます。私も自分の誕生月である10月が好きです。せみの鳴き声がいつの間にか聞こえなくなって、虫の声にかわり、空が澄んで高くなり、キンモクセイの香りただよう時期。紅葉はまだ早いけど長袖の綿のシャツを腕まくりするのがちょうど良い気温。誕生月の頃だから好きなのか、たまたま好きなものが誕生月の頃のものなのかはわかりませんが。何かを始めようとするのもこの時期が多かったような気がします。一昔以上前に知人の紹介でハワイのナガタ先生のところにお世話になり始めたのもこの頃でした。あの時、最初に空港に降りた時のさわやかな風と花の甘い香りは今でも脳裏に強く焼きついています。いつも思いますが第一印象は最後まで鮮明に残るものです。ハワイの人のやさしさやホスピタリティーに触れたのもこの時でした。ハワイには、「ハワイアン・ハート」という言葉があります。ナガタ先生もよく「心はパラシュート、自分から開かなければ通じない。」と言っていましたが、「気さくにあたたかく」の気持ちは我々も見習わなければと思うところです。パイナップルには、「Welcome:ようこそ!」という意味があるそうです。
ナガタ先生にお世話になった時は、まだ歯医者になって間もない頃でしたから、さまざまな事が印象的でしたが、特に今でも思うのは、技工物(さし歯や冠、ブリッジ等)の製作をハワイからアメリカ本土のラスベガスにまで空輸で注文するのです。日本では大体1週間の予約間隔で技工物を製作しますが、やはり1週間~2週間で空輸、製作まで行い、勿論調整等があればもう一度ということになります。今や、宇宙旅行の時代、距離感のない世界、頭の中の世界地図のイメージも変わってしまいそうです。
ハワイという常夏の国にも四季を感じます。雨の季節、乾燥した季節、冬を過ぎた春の海やプールはひんやりと、夏を過ぎた秋の海やプールはあたたかく。花も咲き、散ります。しかしやはり季節感の明確な違いはわずかで、日本のようなはっきりとした四季ではありません。やはり日本人ですから、日本の四季の中にいると安心します。いま世界的な問題である地球温暖化等によって崩れつつある日本独特の四季や、五感で感じ取ることのできる季節の移り変わりというものを大切に残して行けるように努力して行きたいと思います。
文・写真 酒井 公洋

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