令和５年４月６日理事長逝去

令和5年4月6日、前理事長、酒井昇（90歳）が逝去いたしました。
生前はひとかたならぬご厚誼にあずかりありがとうございました。
謹んでご報告させていただきます。

願わくは　花の下にて　春死なむ
そのきさらぎの　望月の頃　　　　西行

庭の枝垂れ桜が満開で、父の一番好きな花、牡丹の花が朝一輪咲いた、令和5年4月6日、満月の日に父は亡くなりました。
美術、芸術、書、陸上、音楽、ゴルフそして人間性、仕事、、、すべて父親に負けっぱなしで、いつまでも雲の上の人だった父が文字通り昇天、逝去いたしました。
歯科大生の兄を中学生で亡くし、画家志望の夢を諦め、急遽歯科医を志すも、大学時代には歯科医師の父が倒れ、お化け屋敷のようだと言われていた古い医院を陸上部あがりの我慢と努力で医院、家族を守ってくれました。
その後、当時県歯会長で大学の先輩でもあった叔父や、身内の医療関係の方々にも大変お世話になり人生後半は忙しさの中でも、充実した楽しい時間だったのではないでしょうか。晩年は、母親との月一回の美術館巡りや小旅行など楽しみにしており、野田線で父母向かい合わせに座り、お互いの似顔絵を描いていた、、、との患者さんからの目撃談もありました。背丈ほどたくさんの患者さんの似顔絵スケッチもありましたが、中でも母親の似顔絵が一番たくさんありました。
打ち上げ花火のような生き方ではありませんでしたが、線香花火のように誰にも優しくユーモアたっぷりに穏やかに光り続けていてくれていました。
2年経った今でも患者さんがあげてくださるお線香、診療時の想い出話に耳を傾け、懐かしい線香花火のような残り香、まだまだカラーの想い出とともに、、、。

風の如く、走り去った90年。

当時の陸上部（春日部高校）の記事がありました。