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コラム

見納め・・・。

我々歯科医師の多くは、治療にあたり、まずリスクの少ない可逆的な処置を第一選択に考えながら診療をしています。
知覚過敏や、痛みなどの処置でも、第一選択は、「今の歯の現状を残したい」という発想から始まります。もちろん痛みを取ることも大切ですが、この痛みの取り方が大切なのです。
所謂、知覚過敏の診療などは、何度か様子を見ながら行うことも多く、一回で痛みを取るには、リスクの高い処置を行なわなけれなりません。
極論になってしまいますが、歯がなくなれば痛みもなくなります。でも歯があればどんな状態であっても痛むこともあります。
いつまでも歯が痛かったら抜くべきなのか?私の経験でも、2年間同じ歯を治療し続けた患者さんがいらっしゃいました。なんとか良好な方向に持っていけました。勿論この2年間の治療期間をどう考えるかも大切ですが・・・。

私の尊敬する先生がおっしゃっていましたが、インプラント、抜歯、神経の除去などの不可逆的な処置は、最終選択になるべき処置にもかかわらず、あたかも、その診療数や実績が多い医院が良いというような理解不能な理論まで存在しています。最終的な手段としての選択肢であるインプラントが、症例数を広告にも利用されてしまい、第一選択の処置にもなりかねないという状況すらあります。根の治療の後の上物である補綴に関しても、保険診療を大前提に良い診療をするのが当然であり、高価な自費診療=良い診療という短絡的発想も危険です。
しかしながら、保険診療だけでは、医院経営が成り立たなくなってきているという話も現実で、このまるで正反対な事実を解消する手だては、はたして存在するのでしょうか?

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いよいよ見納め・・・。