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コラム

ライカのお話。

いつもいつも、さらにいつものお話(笑)にあるように、私は、クラシックカメラが大好きです。中でも、ライカには、もう何年も心を奪われてしまっています。
80年近い両親の生まれた頃のライカから、自分や家族の生まれた年のライカ、何か理由や言い訳をつけては中古カメラ店を徘徊しています。例えば、私と同い年の黒塗りの美しいライカには、私と同じ48年の人生(カメラ生?)があり、夜な夜なお酒を飲みながら、触ったり磨いたり・・・まさに全てを忘れる至福の時であります。
今、全盛のデジタルカメラとは異なり、フィルムを使うクラシックなライカの機械としての五感に訴えかけてくるような操作感にも引き込まれています。金属の冷んやりとしたずっしり感、操作時にかみ合う歯車の滑らかさやグリスによってコントロールされた各部のトルク感、そしてデジタルカメラのシャッター(スイッチ?)音とは比較にならない象牙の箸を合わせた音に例えられる品のあるシャッター音・・・数えきれないライカの持つ積年の魅力がそこにはあります。
市販の一般的なフィルムのサイズも、80年前にライカ判として規格され現在に至っていることもあまりにも有名です。
ライカというカメラは、レンズ部の付け根のマウントという部分が、80年前からほとんど共通で、80年前のカメラは当然のこと、40年前のカメラでも、現行のデジタルになってしまったライカのカメラであっても、80年前から現在までに生産されたほぼすべてのレンズをつけて撮影することができます。つまり現在の光が、80年前のレンズを通過することによって、フィルムや、デジタルのCCDに80年前の光として映し込まれるということになります。また、このレンズのマウント構造は、ライカ社以外の会社でも非常に多く採用され、古いありとあらゆるレンズの大部分が現在でも使用でき、古典のレンズを楽しむことができます。
このこともライカの大きな魅力です。

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先日、体調不良にて入院してしまった、Apple社のスティーブ・ジョブズCEOが、新製品iPhone4のプレス発表の冒頭に、「今度の、iPhone4は、クラシック・ライカのように美しい!」と言ったそうです。iPhoneを所有していませんが、大きさや形は、まったく異なっても、手にとった時の質感、重量感や、単位体積?あたりの魅力や満足感、ワクワク感(笑)が似ているのでしょうか・・・。