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コラム

ドリームライナー

「ドリームライナー」
先日のニュース記事にありました。次世代の主力航空機のひとつだそうです。
1960年代莫大な開発費用を費やした軍用輸送機の落札にロッキード社に敗れた結果、不本意ながらその計画の遺産として製作したB747(通称ジャンボジェット)で大成功を収め、1990年代には2名のクルーによる大型航空機の運行を一般化させ、ついには戦後最大のライバルであったダグラス社までも傘下におさめるという偉業をなしたシアトルの星(スターバックス、マイクロソフトもシアトルの星と言えるでしょう・・・)ボーイング社が次の世代に向けた航空機を万を辞して発表しました。通称:「ドリームライナー」。
記事にもあるように日本の技術も数多く取り入れられ、各国最先端技術の集大成・ハイブリッドな航空機ボーイング787に仕上がっているそうです。 
1970年代は、大量輸送時代突入か、スピード追求の時代への突入かの分岐点であったわけですが、旅客大量輸送という目的のために開発の比重をおくことにより、航空機を使った旅行が一般化し現在に至っているわけです。もしもコンコルドをはじめとするスピード輸送に比重をおいて航空機の開発がなされていたならば、現段階では航空機を使った旅行・移動はごく限られた人々のための手段となっていたのではないでしょうか。
結果的に、スピード輸送の開発は、頓挫してしまい、超音速旅客機も存在しなくなってしまいました。
また、全世界的に見ても、大企業としての航空会社ではなく、独立し細分化された会社としての運営が主流になってきている現在、「大型機で主要都市間を」という昔の発想ではなく、コンパクトな質の高い航空機を適材適所・臨機応変にフレキシブルな使い方を、という考え方が主流になってきています。エアバス社が超大型の航空機(A-380)を製造していますが、評価がいまひとつなのもこういった社会の現状があるからなのでしょう。
今後も、利用者、航空会社ともにスピードよりも質の高い安全の集結体としての総合的なバランスに長けた機体の開発を望むでしょう。
先日MRJという航空機が35年ぶりに日本の企業によって開発され、前述のボーイング社も販売等の協力体制をとる方向へということになりました。今後、小回りの効く良質な移動手段としてのサービスに、こういった質の高い航空機が還元されれば、従来の航空会社・コミューター等の発想とはまた異なった、新しい分野としての航空業界が再編成・再構築されていくのではないかと思われます。 酒井 公洋